母乳育児の歴史

 

人気小説「ゲゲゲの女房」の中では、粉ミルクを買うお金がなく苦労する主人公の姿が描かれています。お金がないなら母乳をあげれば良いじゃない?と違和感を感じますが、ミルクで育てるのが当時最新式の「アメリカ式育児」でした。昭和に入り乳業各社がミルクの開発に力を注いだ結果、より母乳に近く栄養あるミルクが完成し、宣伝活動により粉ミルクは身近な存在となりました。「おっぱいを出して母乳を与える姿は野蛮」「哺乳瓶でミルクを与える姿はスマートで近代的」と、ミルク育児がもてはやされ、1970年代には完全母乳率は30%程度まで減少しました。

これを憂慮したユニセフと世界保健機関(WHO)は「母乳育児成功のための10か条」を掲げ全世界的に推進活動を行ってきました。その結果、平成22年の厚生労働省の発表では完全母乳率が50%を超えました。 母乳の優れている点は

1.赤ちゃんにとって必要な栄養素を全て備えた「完全食品」である。 2.血液を通してお母さんの免疫を受け取ることで、病気に対抗する力ができる。 3.授乳時にお母さんと密着することで、赤ちゃんが精神的に安定する。 4.授乳することでお母さんの体は妊娠しにくくなり、次の妊娠までゆっくり体力を回復することが出来る。 最後の項目は、日本ではピンと来ませんが、途上国など子どもを多く生む社会ではお母さんの体力不足が妊婦死亡率を高める大きな要因となっているのです。

また、最近問題になっている「乳幼児突然死症候群(SIDS)」についても、厚生労働省の発表で「母乳で育てられている赤ちゃんは、粉ミルクで育てられている赤ちゃんと比べてSIDSの発症率が低い」と報告されています。

 

Copyright © 2014 母乳と粉ミルクの違い All Rights Reserved.